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イベント掲示板[連載]粕谷俊二のオフタイム採用情報


2021年、己を見詰め直す良い機会にしたいと思う
2020.12.31

突然現れた未知のウイルスは、人知の図りを遥かに超え、今もなお日常に大きな影響、そして変化をもたらし続けています。もちろん私達の仕事のあり方も変わりました。健康が一番、感染予防を最優先に対応していく中で、これまでとは大きく異なるアプローチが求められるようになりました。

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     アバルト595用に新しいカムシャフトを開発しました


人類の歴史にはこれまで幾多となく疫病による危機を乗り越え、生き残った経験がある。生物学的にも必ずしも強い種が生き残れるわけではなく、良くも悪くも小さく、弱くとも、適応能力に長けた生命が今を生き伸びており、いずれは決定的な解決策が、事態を終息へ向かわせることだろうと思う。

あたりまえの日々を過ごすことができなくなって、改めて気づいたことがある。その多くは重きにあらず、人の暮らしとはいかに無駄が多いことかということだ。幸い僕にとっては、余った時間で研究開発にあてる時間が増えたことは有意義なこととなった。

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       こちらはクラシックフィアット用のハイカムです

だが、感染拡大の速さに映るように、世界は狭くなっている。横浜ファクトリーは現場対応で臨機応変に乗り越えられたが、部品メーカーとしての仕事は困難をきわめた。理由は、製造業固有の問題で、サプライチェーンの多くを海外に依存しており、各国のロックダウンによる影響は小さくはなかったからだ。それでも唯一の救いは、世界の累計で100万人以上の死者数を出していながらも、連携しているどの海外拠点から被害の話を聞いていないこと。健康であれば、挽回は時間の問題でしかない。

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     チューニングには、正確な計器が必要となるため作りました


しかし、同様に扱われることはないが、今、鳥インフルエンザの流行も深刻で、養鶏場で一羽でも見つかると、伝染防止のために100万羽単位の鶏を一瞬にして葬るという。人間の生活を維持する構造的な問題とはいえ、世界には想像力の欠如、無慈悲が溢れている。疫病の蔓延に翻弄されている渦中にあり、感染防止の手段、命の扱いがこれほど違うのかと愕然とした。持続可能な社会のあるべき姿について、何をすべきかを改めて考える良い機会となったことは間違いない。